ナイコートは専用の四弗化樹脂(非導電性)を特許技術によりネジ部のみに融着し、溶接や電着塗装によりネジを保護する加工法です。
米国ゼネラル・モーター社とナイロック・ファスナー社の共同開発特許品です。
溶接スパッター(飛散火花片)からネジ部をガードします。
- 面倒なリタップ作業が不要です。
- キャップ(埋栓)の取り付け・取り外し作業が不要です。
- コストダウンと品質アップに大きく貢献します。
塗装(電着塗装)からネジ部をガードします。
- 面倒なマスキングテープの取り付け・取り外し作業を無くしました。
- キャップ栓等の使用も不要です。
- ペンキ剥がしボールト等の使用による、締付け荷重のバラツキの心配も不要です。
<塗装前のナット>
ネジ部はナイコート加工がなされている。
<塗装後のナット>
ナイコート加工されたネジ部に塗装の付着が見られません。
ナイコート採用によるコストダウン計算(例)
<試算例>
M12の溶接ナットを使用し、フレーム部品を電着塗装するケース<従来例>
ナット溶接後のリタップ作業に…10~20円(1ヶ所)
電着塗装前のテーピング又はキャッピングに…10~30円(1ヶ所)
塗装後のテープ又はキャップの除去作業に…10~30円(1ヶ所)
合計…30~80円(1ヶ所)
ナイコート加工ナットの採用により、上記作業コストは0円
ナイコートQ&A
-
ナイコートは円滑な締結作業と軸力のバラツキの低減に貢献するなら、締結後のネジのゆるみ、脱落等の問題点は無いのか?
-
ナイコートは、ネジ締結作業中にプレッシャー・フランクより剥離し、本来の雄ネジと雌ネジの金属接合力が得られるように加工されています。
剥離したナイコート材は、ナットの谷部・ボルトの頂上部等の非接触クリアランスに集約されるよう加工されています。
-
締結作業中にナイコート材が剥離するならそれ以前の段階で、なぜナイコート材がネジ部より脱落しないのか?
-
ナイコートは単にコート材を塗布したものではなく、米国デュポン社がナイロック社のために開発した特殊ナイコート専用テフロンを、ナットやボルト等のネジ部のみに融着する特許技術で可能になったものです。部品搬送中には剥離せず、締結作業終了とともにその用を終えるのです。